世立のしだれ栗(中之条町天然記念物)

白根山と浅間山が一望できる上世立の高台にあるしだれ栗は、栗とは思えぬ奇態で、250 余年の長い歴史を刻んできました。東西5m、南北7mに大きく広がり、その枝は地面につかんばかりに悠然と垂れ下がっています。このような珍しい姿がなぜ生じたのか、その原因を明らかにすることはできませんが、突然変異によって生まれたものでしょう。群馬県内でも唯一のしだれ栗です。村人は、このしだれ栗は神々が山々に往来する折りにこの木陰で泊まったり休んだりした神の宿であると信じて大切に保護してきました。今でも、この木を切ると病気にかかるといわれ、村人はおそれと愛情を抱いて大切にしています。