的岩(群馬県嬬恋村/長野県上田市)

国指定の天然記念物・的岩。将軍源頼朝が狩りの際に、家来と弓を引いてこの屏風岩を狙っていると、どこからか異形の大男が現れ、「わしならこの握り飯で当てて見せる」と言い、見事命中しました。その時の穴がこれで、握り飯の様に見える岩も転がっています。

火山学的には、この的岩はダイクといいます。元々地下に割れ目があって、そこにマグマが流れ込み固まりました。そして長い年月が過ぎ、周囲の柔らかかった岩石は風化浸食され、硬く固まったマグマの方が洗われ出てきた状態です。この的岩の上に登った写真を見たことがありますが、高所恐怖症の私には無理です。

的岩中央部が東側から見て最も高いところであります。ここに、源頼朝伝説の大男が投げたおにぎりが当たった窪みがあります。なんと綺麗なクレーターでしょうか。その伝説が本当で無くても、太古の昔、日本にいた神々が現し世に現象をもたらしていた頃、ちょいと悪戯をしたのではないでしょうか。