今年は林間学校の登山体験で、湯ノ丸山引率ガイドのオーダーが多いです。浅間・烏帽子火山群で、植生遷移や生態系の仕組みを学ぶのなら池の平、火山の仕組みを学ぶなら黒斑山や小浅間山が良いのでしょうが、自然解説、インタープリテーションを伴うものはガイドを多数依頼しなくてはならず、費用が掛かる上にガイドの質を保証できるか疑問です。
ただ純粋に、『登山をし、山頂踏破を目指すことで「困難な課題を周囲の友達と一緒に成し遂げる」という体験をし、生きる力と集団生活力を身につける。』のが学校教育としての目的ならば、インタープリターなどは必要ありません。学校の先生方が頑張って連れていけば良いのですが、最低でも道案内、登山のプロが一人いた方がいい、そういう思考プロセスで教育登山をするのは、本来は良いことだと思います。あくまでも自分たちで生徒を教育する、という気概は頼りがいがあります。ただし、「学校での教育を行き届かせるために登山指導は教師ではなく、現地のインストラクターに任せたい」という、私たちにとっても正論である学校様方のおかげで、教育旅行の引率ガイドのお仕事をいただいている訳でありますが…
いずれにせよ、解説抜きの山頂踏破達成が目的の登山であれば、浅間山域では湯ノ丸山がルートの程よい困難さ、所要時間、アクセス・駐車場等、総合的に最も優れていると思います。