虫切鎌(王城山神社奥宮)長野原町

王城山神社奥宮前の地面にある石蓋の中には「虫切鎌(むしきりかま)/虫切り鎌」と呼ばれる小さな鎌がたくさん奉納されています。この鎌を持ち帰り、赤ん坊の胸元で×を切ると真似をすると、疳の虫も治るとされ、翌年お礼に鎌を倍にしてお返しするのだそうです。「忌鎌(いみかま)神事」と言います。

王城山略縁起 (群馬県の祭り・行事 ―群馬県祭り・行事調査報告書―)より


王城山虫切鎌と云ハ、吾妻太郎落城の後、藤原家重宝の鎌を則ち此御山に奉納しけれハ、名将の持れし鎌なるゆへに何のころより一ヶ月二ヶ月或一年御借請申、信仰する時は小児の虫、蚕の虫、鼠、五穀の虫其他虫の難を除る事秋風の雲を吹沸か如し、又右の鎌を返納する時ハ二丁にして納るなり、これによりて鎌も数百丁にふえて、利益も又日々に盛なり。

  上毛吾妻郡林村 別當 大乗院